第7回日本医療安全学会学術総会

(テーマ) 医療安全–温故知新 — 次代型医療安全の構築 –

—多職種における医療安全推進–

(会期) 2021年5月29日(土)~5月30日(日)

(場所) 東京都立産業貿易センター(台東館)及びインターネット (定数: 4000名)

(ホームページ)

http://jpscs.org/7thJPSCS/

(一般演題(口演・ポスター)申込の期間) 2020 年 10 月 1 日~2020 年 11 月 30 日

(参加申込の期間) 2021 年 2 月 1 日~2021 年 4 月 15 日

(概要)

http://jpscs.org/7thJPSCS/outline.pdf

(ポスター) 

http://jpscs.org/7thJPSCS/poster.pdf

 

共同総会長代表のご挨拶:

四柳 宏 (東京大学医科学研究所附属病院医療安全・感染制御センター・センター長、教授、副院長)

 

第 7 回日本医療安全学会学術総会の共同総会長を務めさせて頂くことになりました。テーマは共同総会長3名で相談し、“医療安全の温故知新”とさせて頂きました。

この挨拶文を起草してから3ヶ月後に新型コロナウイルス感染症が日本を含めた世界を襲いました。

多くの医療機関が感染対策はもちろんのこと、医療機関にかかっている患者さん・職員の安全を確保することに心血を注いだ数ヶ月であったかと思います。医療安全の裾野が広がったように私自身は感じております。

医療事故を防ぐ原点は “どのようなリスクがあり、それがどのような場合に起きるかを知り適切な対応をとること”、すなわちリスクマネージメントにあると思います。いかにしてこのことを医療に携わる一人一人の心に刻むかに会員の皆様は日々努力されているはずであり、その原点は変わりません。

各医療機関が医療安全を検討する会議の場ではインシデント・アクシデントの具体的事例が挙げられ、何がその背景にあるか検討されます。立案された対策が職員に周知され、その効果が上がっているかを確認して次の問題に取り組む。こうした PDCA サイクルが基本にあると思います。こうしたクライシスマネージメントの重要さはさらに重要になってきていると思います。

その一方で医療をめぐる環境は大きく変化してきております。一つの現れが新たなツールの急速な導入です。医薬品、医療機器、臨床検査、医療機器以外の様々な機器、いずれも新たなものが現場に入ってきており、過去の経験に学ぶだけでは安全な医療を行うことが困難になりつつあります。こうした新たなツールを導入する際には関係者皆が十分に学習することが大切ですし、情報を共有する場も大切です。

地域における医療安全も変動期にあります。急速に導入が進められている地域包括ケアは医療職だけではなく、一般生活者を医療に向き合わせる側面を持ち合わせています。一般生活者にも医療安全のミニマム・エッセンシャルズを学んでもらうことが必要になっています。

働き方改革が急速に進んでいます。医療従事者の疲弊を防ぐためにも働き方改革は進めなければいけないものですが、医療安全には落ち着いて考え行動する余裕が大切です。働き方改革のうねりの中、医療安全への十分な配慮が望まれると思います。

第7回の学術集会ではこうした医療の変動期にあたって現場の皆様が感じておられる問題を出し合い、医療安全の原点に立ちながら新しい問題にどのように対応していくかについて存分に話し合って頂きたいと考えています。多くの皆様においで頂くことを願っています。