生化学会会員の皆様方
いつも生化学会の運営にご協力いただき誠に有難うございます。9月14~16日に第93回生化学会大会が史上初めてWeb開催されました。会員の皆様からのアンケートの回答をいただきましたので、この件につきましては、改めて報告させていただきます。
本日は、政府の日本学術会議会員の任命拒否に関する生化学会の対応につきまして、ご報告させていただきます。日本学術会議(http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html)は、人文・社会科学(第1部)、生命科学(第2部)、理学・工学(第3部)の全分野の科学者の代表機関であり、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行い、種々の提言等を行っています。一般的にはマスコミ等で取り上げられることは少なく、今回のことで存在を知った会員の方も多いかと思いますが、科学者の意見を直接政治、行政に届けることができる組織です。
今回、新規に学術会議が推薦した105名のうち、6名の会員候補が任命を拒否されました。拒否の理由は明確に示されていませんが、科学者が自由に発言、行動することにより、何らかの活動の障害になるということであれば、憂慮する事態と考えます。
我が国には、生物科学学会連合という組織があり、現在32団体が加盟しています。生化学会はその構成学会です。生物科学学会連合は日本学術会議とも連携しており、生物科学学会連合が、日本学術会議からの会員候補の任命拒否に対する要望書を支持し、声明を発表することになりました。生化学会としましては、理事会でも本件を諮り、生物科学学会連合の対応に賛同することといたしました。多くの学協会の意見を集約して、共同声明を発出することにより、対話による早期の解決が図られることを願っています。
会員の皆様におかれましては、今しばらくこの問題を注視いただけるようお願いいたします。
2020年10月9日
会長 菊池 章