JB編集委員長 中西 真(東京大学医科学研究所)

 

令和4年1月よりJournal of Biochemistry (JB)誌の編集委員長を拝命いたしました中西真です。大任を仰せつかり身の引き締まる思いですが、全力でJB誌の発展に尽くす所存でおります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

さて、JB誌は1922年に初代編集委員長柿内三郎先生のご尽力で創刊された今年度100周年を迎える日本で最も歴史のある英文科学雑誌です。歴代の編集委員長の献身的なお力添えもあり、国際的に評価の高い生化学雑誌としての地位を確立しました。この間、様々な改革が進められました。例えば直近では、門松健治先生が4年間の任期中に最新の研究成果を読者の皆様にいち早くお届けするよう、迅速な論文査読システムを導入されました。さらにJB Special issueを刊行して最新のトレンドについて分かりやすく読者の皆様にご紹介できるような体制も作られました。門松先生は魅力的なJB誌を目指して日々奮闘されてこられました。この場をお借りして改めて感謝の意を述べさせていただきます。

 

さて私事で恐縮ですが、初めて自分自身の英語論文を掲載していただいたのがJB誌でした。博士課程の学生であったとき研究成果を英語論文としてまとめることになったのですが、当時は英語を書くことすらままならず、論文の体としてはさぞかし不十分なものであったと思います。これに対して査読者の先生から一つ一つ大変丁寧なご指摘とご指導をいただき、最終的に受理されたものは投稿時とは見違えるような出来栄えとなっておりました。このようにJB誌は最新の研究成果をいち早くお届けするのは勿論のこと、次世代の生化学・分子生物学を担う研究者を育む使命も果たしていかなければなりません。

 

また最近は学術分野の細分化が進む一方、研究領域のボーダレス化も加速しているように感じます。生化学・分子生物学的技術に限らず、あらゆる技術を駆使して生命の根源に迫る研究が増えているように思います。このような論文をいち早くJB誌でご紹介できるよう、幅広い生命科学分野にアピールして参ります。是非とも魅力的な研究成果をJB誌に投稿いただきますようお願い申し上げます。

 

JB誌の編集長として、歴代の先生方に恥じぬよう尽力し、読者の皆様にさらに愛される雑誌作りに誠心誠意努めて参ります。皆様のご支援、ご愛顧をどうぞよろしくお願い申し上げます。