会員のみなさん、

                                       日本生化学会

                                       会長 中西 義信

 

会長便り第14号をお届けします。私の会長としての任期は定時総会が開催される2015年11月20日までと定められており、これが最終号です。長らくおつきあいくださりありがとうございました。この機会に、私が会長を務めた2年間の本会の活動を振り返ってみます。

 

財務基盤の強化:実は、本会は毎年、多額の赤字を計上してきていました。前々会長の北潔氏(東大)の時に公益社団法人としての本会の基礎が固められ、前会長の石川冬木氏(京大)の時の執行部と前事務局長の長谷川みさと氏により財務基盤が見直され、そしてこの2年間の執行部と事務局の努力で赤字の多くを解消することができました。

 

研究倫理の指針:研究倫理委員会の働きにより、本会の「行動規範と倫理規程」が定められました(ウェブサイトトップページの右側に専用バナーがあります)。会員のみなさんが学会の内外でこれに沿って活動してくださることを期待します。

 

生化学誌の電子化:生化学誌企画委員会の働きにより、同誌の完全電子化や一部記事のオープン化が行われました。以前と比べて、読みやすさと使いやすさが一段と増しました。

 

大会の充実:大会の企画と実施に本会執行部が関与する程度を大きくし、執行部の要望を大会会頭に伝えるようにしました。その効果には、ハンディキャップを持つ会員への支援、高校生による発表の機会、日本医学会と連携した講演会、などが含まれます。また、これまでは本会会長と大会会頭の両方になることはできませんでしたが、これからは会長経験者も会頭を務めることができるようになりました。近い将来に歴代会長の面々が会頭として活躍するかもしれません。

 

その他:“ジャーナルインパクトファクターのみにより研究業績を判定しない”とするDORAに本会が署名しました。また、会員間の意見交換の場として「JBS掲示板」が設置されました。

 

今後の課題:議論を交わしながら結論を導くに至らなかった事項も多くあります。それらは、大会開催に関わる費用の削減(場所や時期の見直し)、会員数維持の工夫、ウェブサイトの英文化、国内研究者からのJBへの投稿数の増大、などです。これらの課題は新しい執行部に託すことになります。

 

会長便り第1号を発信した時に“毎月の掲載とする”とお伝えしましたが、結局、14回に留まってしまいました。約束を果たさず、申し訳ありません。最後に、14篇の原稿作成において内容と表現についての助言をいただいた白土明子氏(金沢大)に、この場を借りて感謝いたします。

 

2015年11月

会長 中西義信

 

会長便り第14号は http://www.jbsoc.or.jp/letter をご覧ください。