会員のみなさま

         The Journal of Biochemistry

         編集長

         門松 健治

 

この度は、Rapid Communication の変更について、学会員の皆様へご案内申し上げます。

Rapid Communicationは1994年に出版されたVolume115から、Communicationの後を継ぐ論文タイプとして導入されました。Rapid Communicationは、原著論文執筆前の段階において、最先端の研究成果をいち早く発表出来る論文タイプとして紹介されました。迅速な査読、出版を可能にするため、Rapid Communicationは簡潔なレポートとして出版されていました。

当時は、原稿が1報ずつコピーされ、郵送で査読者の元に届けられていた時代でした。その後、オンライン査読システムの導入や、論文採択の決定とほぼ同時にオンラインで出版できるようになり、Regular Paperでさえも、査読から出版までの工程が昔では考えられなかったような速さで進めることが可能となりました。近年では、プレプリントサーバーが広く利用されるようになり、研究者が正式に論文を採択される前に、オンライン上で、瞬時に研究成果が発表出来るようになりました。

このような出版業界の変化を配慮し、Rapid Communicationに関しまして、Regular Paperの形により近い、特に新規性があり重要な結果を発表する論文タイプとして再定義することに致しました。新しいRapid Communicationには掲載論文の中でもっともインパクトのある最先端の論文が投稿されることを期待しております。Rapid Communicationとして論文を出版する特典として、迅速な査読プロセスにより、約2週間で初回判定が出ることになります。また、より多くの読者に論文に目を通していただけるよう、JBのウェブサイトやソーシャルメディアでのプロモーションを行い、さらにRapid Communication として出版される全ての論文を自由に無料でお読みいただけるようにフリーアクセスを設定いたしました。

さらに、投稿に際して著者の負担を軽減させるため、これまでの字数や図の制限をなくすことにしました。さらに、負担を軽減するためにRapid Communicationの場合は今後どのジャーナルのフォーマットやスタイルでも論文を受け付けることとしました。(但し、必要に応じて改定・再投稿の際にフォーマットの変更を依頼させていただくこともあります。)

この度のRapid Communicationの変更により、論文出版のスピードが増し、競争が激化する出版業界において、研究者のニーズに応え、さらにJournal of Biochemistryが、高い利便性と躍進的なジャーナルとして生化学および分子生化学分野において多くの皆様に広く認知してだくことに貢献できると信じております。

この場をお借りして、Journal of Biochemistryの出版に御尽力いただいております、読者、著者、査読者の皆様に感謝の意を申し上げます。今後ともご支援いただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

 

掲載サイトはこちら https://doi.org/10.1093/jb/mvz048